
僕が中学3年の時の昔話をしますね。
僕は、めちゃくちゃ自分勝手でした。
受験する高校を選ぶ時、こんな選択肢でした。
●両親が希望するA校は、受からない可能性がある
●興味のない電気科B校なら間違いなく受かる
迷わず僕はB校を受験しました。
その頃、両親は僕に、こんな嬉しい約束をしていました。
「入学金の安い公立高校に入ったら、落ちても私立に行ける様に
貯めたお金で、ステレオを買ってやるからがんばれ」
僕にとっては、高校の種類よりもステレオの方が大事でした。
両親の希望する学校に挑戦する気など、まるでなく、
間違いなくステレオが手に入るB校にあっさり決めました。
そして、その日からステレオのカタログ集めと
入念な予算の計算をしました。
家にいつも来る電気屋さんには、
「合格発表の日に全部納品してください」
と、発注しました。
当日、電気屋のおじさんは、次々にダンボールから出し
並べ終わるとこう言いました。
「なあ、マサヒロ君よ、あんた心臓に毛がはえとるんか。
黙って聞いてりゃ、次々と好き勝手、予算いっぱいに注文して・・・
この金額を貯めるのに、君のお父さんがどんな苦労したか知らないだろ」
同時に、頭を「コン」とこつかれました。
両親の期待を裏切って、低い高校を選び
当然の権利だと思って、親の大金を使った。
僕は、なんて勝手な事をしたんだ・・・
後悔で泣けて泣けて、その晩は、眠れませんでした。
あくる日、電気屋さんに返品をお願いしてみましたが
やっぱり無理でした。
「この事は忘れたらいかんよ」と言われました。
でも、中学生の僕は、その時すぐに両親に謝る事はできませんでした。
そして最近、両親とゆっくり話す機会があり、
電気屋さんにお叱りを頂いた事と
自分勝手をようやく詫びる事ができました。
28年かかりました。
「いや約束したのだからいいよ」という両親と、
商売でありながら、本気で僕を叱ってくれた電気屋さんに
心から感謝しています。
今、僕は経営者、またはコーチ、講師という仕事の中で、
よくこの電気屋さんを思い出します。
僕は、あんな風に人に真剣に取り組めているだろうか
僕は、あんな風に愛情を持って、人に接しているだろうか
先日の秋葉原のような事件が起きる現代、
僕のような、感謝の足りない自分勝手な人が増えています。
電気屋さんのご恩を、次の代に返して行きたいと思っています。